ガスケ、2005年モンテカルロ、世界ランキング100位

2005年。19年も前です。
フランスのガスケは2005年4月18日付からずっと世界ランキングトップ100でした。

 

世界ランキングトップ100とは

「世界ランキングトップ100」というと、テニスファンなら1度は聞いたことがあるかもしれません。
それが"全テニス選手の目標"
これを明言する選手は多いと思います。
ガスケは連続にして926週。
これがどれ程の評価になるのかはわかりませんが、
2005年の同じ日にトップ100にいて、今も現役の選手はナダル、ベルダスコのみ。
個人競技の約20年というのは、それくらいの年月です。
当時を少し振り返ります。


2005年4月

この年は「フェデラー1強」から「フェデラーナダル2強時代」に変わるわけですが、
まさに過渡期のような大会が、
4月18日の前週に行われていたマスターズのモンテカルロ大会。
(どうしてもこの時の選手を思い出すのに、2人の名前は避けられません)

モンテカルロ大会

第1シード、絶対王者フェデラーです。
この年ここまで通算マッチ35勝1敗。
マスターズも2大会連続優勝をし、マッチ24連勝中。
ここまでで既に、歴代で考えてもトップクラスの成績。

第2シードはサフィン全豪準決勝ではフェデラーに勝ち、グランドスラム2勝目も達成。
この年通して怪我に悩まされていた印象はありますが、
当時フェデラーに勝てる最有力選手だったとも思います。
自己最高は2000年に記録した1位。

そしてガスケは当時まだ18歳、ランキング101位。
3月にはチャレンジャー大会2週連続優勝がありました。
この大会は予選から。
チャレンジャー2週連続最終日、モンテカルロ予選、モンテカルロ本戦と続いてたわけです。
モンテカルロでは、
本戦1回戦ガルシアノロペスに2ゲームしか落とさず勝利。
3回戦では15位(この年5位を記録)のダビデンコにフルセット勝利。
準々決勝、相手はフェデラー
先にマッチポイントを握られながらもファイナルタイブレークの末、勝利。
この大会を予選から準決勝進出は、1982年ワーゼッティ以来22年ぶりの快挙でした。
また決勝までいくと、この大会10代で決勝進出は、1994年メドベデブ以来11年ぶりにもなります。

モンテカルロ準決勝

準決勝進出の顔ぶれ。
2003年全仏優勝、2002~2003年この大会優勝のフェレーロ(最高1位)。
2004年全仏準優勝、この大会優勝のコリア(最高3位)。
当時すでにトップ選手のナダル。今シーズンはクレー2勝、ランキングは自己最高の17位(この年2位を記録)。

ガスケvナダルのツアー初対戦が実現です。
誕生日がナダルと15日しか違わないガスケはマスターズはもちろん、
ツアーの準決勝進出自体初めて。
またフランス期待のジュニア世界チャンピオンでもあり、
2002年この大会でツアーマッチ初勝利をあげたこともあります。
正直、コリアvフェレーロという好カード以上の期待度が
ガスケvナダルにはありました。
共に認知度は十分な18歳同士が、マスターズ準決勝で対戦したんです。
この翌週が4月18日。ランキングは101位から61位に。


2005年5月

5月にはマスターズのローマ、ハンブルグ(当時はマスターズ格)。全仏オープンに出場。
ローマではアガシとの初対戦もありました。

ハンブルグ大会

モンテカルロでの活躍があっても、この大会も予選からの出場。
準決勝ロクス戦ではストレート勝利。
つい最近までランキング100番台だった18歳の選手が、
もうマスターズ決勝の舞台に。
このときの相手はやはりフェデラーでした。


2005年後半

この後の全仏オープンは3回戦でまたナダルと対戦。
約1ヶ月の間、当時のフェデラーナダルと2回ずつ対戦。アガシとも対戦。
芝のシーズンはクイーンズで準々決勝進出。
ノッティンガムではツアー初優勝。
全米オープンは初出場でベスト16進出。ランキングは12位へ。


R.ガスケ

フランスを代表する選手の1人であるガスケは、
「新四銃士」と呼ばれ「片手バックハンド」の名手でもあり、
デビスカップ」の活躍もあります。
基本はベースライナーですがネットでもポイントが取れてタッチセンス抜群。
よく話題になるバックハンドはウィナーはもちろん、
スピンの効いたアングルショット、さらにスライスもトップレベルで、ドロップショットも得意としてます。
フォアハンドもたまに見せるストレートが気持ちいい。
やっぱりフォアもバックも独特のグリップが、ユニークさをとても感じます。

ツアー優勝がすべてATP250というのは意外か、むしろ意外過ぎて有名かもしれません。
マスターズは、ハンブルグを入れると10大会中8大会で準決勝以上を記録。
マスターズの5セットマッチを経験している現役選手もガスケ、ナダルジョコビッチだけとなりますね。

「BIG4」の出現以降、確かにいろいろな価値観が変わったと思います。
優勝回数、テニス寿命、世界ランキングなど。挙げてしまえばすべてかもしれません。
でも、それはそれ。
"テニス王国"とも呼べるフランステニスの歴史上、マッチ勝利の最も多いのがガスケ。
ジュニア世界1位となりプロ転向をしたのが2002年。
ランキングの自己最高は7位。これが2007年のこと。
最後にトップ10にいたのが2016年。
最後のツアー優勝は2023年。
改めて長いことトップにいることがわかります。


『When Richard Gasquet Became The YOUNGEST Player To Win An ATP Masters 1000 Match!』(10:23)

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『Coupe Davis 2017 - Ensemble sur le Chemin de la Victoire | FFT』(27:22)

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