ビッグトーナメント・インディアンウェルズ2024

今年もマスターズがいよいよ開幕。
舞台はカリフォルニア、インディアンウェルズ大会。
毎年さすが西海岸の気候ですが、今年は雨天順延なんて一日もありました。

 

 

今大会(日本勢)

日本勢は男子、ダニエルと望月。女子は日比野、本玉、大坂。
望月は予選からの勝ち上がり。本戦は2つのタイブレークを落とし初戦敗退。
2回戦はジョコビッチとの対戦だったのもあって(勝手に)余計悔しい。
同じく予選から勝ち上がりの日比野は初戦でヴィーナスからの勝利。
そういえば2017年大会では、ダニエルがジョコビッチから勝ち星をあげたこともありました。


今大会

男子ではトップ32シード全員が出場。
No1シードジョコビッチ
続いてアルカラス、シナー、メドベージェフ。
ルブレフ、ズブレフ、ルーネ、フルカチュと続きます。
ジョコビッチが5年ぶりにカリフォルニアへ帰ってきたことにより
またしても王者対ネクストジェン世代という構図です。
そんなジョコビッチは初戦勝利したことにより、
マスターズのマッチ400勝を達成。

今季負けなしのシナーと、アルカラス、メドベージェフによる世界2位争いも話題に。
この3人は去年のインディアンウェルズとマイアミで、2大会続けてベスト4に入っています。
そしてなんと、今大会もでした。

今回ドローでは、ジョコビッチナダルマレー3人の名前が揃ってありました。
ジョコビッチナダルはたまたま同じ飛行機だったとか。

bnpparibasopen.com

 

マスターズという大舞台

今大会は96ドロー(96人が参戦)。
シードは32(32人が1回戦免除)。
1回戦から決勝までは全7試合。
当然優勝するまでに7回勝たなければならず、これはグランドスラムと同じです。
予選出場者に関しては、グランドスラムよりランキングの高い選手が多くなるわけで、
本戦出場するのはむしろマスターズの方が難しいという考えもできます。
本戦出場選手のほとんどがグランドスラムと変わらない上に、
グランドスラムより厳しい本戦へのカットイン。
スケジュールはたった11日間。ゲームは3セットマッチ。
これが格式あるマスターズと冠した大会。
3月のこのインディアンウェルズは、特にトップ選手が集まります。
改めて、タフな闘いです。

確かにグランドスラムの前の大会を”前哨戦”と呼んだり、
その前哨戦を出ずにグランドスラムを迎えることを”ぶっつけ本番”とする表現をよく見ます。
ただこれらはあくまで選手目線。
4つの会場以外のいろんな国やサーフェス、または選手ごとのコンディション等ある中激しいバトルが変わらず観れるのは、
ファンにとってはグレード関係なく最高です。




決勝メドベージェフvアルカラス

決勝は去年と同じ顔合わせ。
マスターズで2年連続同一カード、BIG4以外と考えるといつ振りでしょうか。
元ナンバー1対決。けれどそれ以外は対象的な2人。

20歳のアルカラスはすでにマスターズ4勝です。
現役(BIG4以外)でマスターズ4勝以上となると3人しかいません。
メドベージェフ6勝(今大会を含めて決勝進出10回)
ズベレフ5勝(決勝進出10回)
アルカラスが優勝を決めマスターズ5勝目となると、
これは21歳以下での記録としては、ナダル9勝に次いで歴代単独2位となるそうです。
ハードでもクレーでも強いアルカラスは、去年ウィンブルドン以来の優勝を狙います。

近年のハードコートのマッチ勝利数が単独トップのメドベージェフ。
2019年以降マスターズだとインディアンウェルズ、マイアミ、シンシナティ
モントリオールトロントと全てのハードコートで決勝進出あり、
グランドスラムでも全米で3回、全豪で3回の決勝進出、うち優勝1回があります。
トップ選手の中でここまでサーフェスに偏りがあるのも、最近では珍しい気がします。


準決勝、決勝を終えて

アルカラス、シナー、メドベージェフ
改めて、この大舞台で3人が2年連続準決勝進出には驚きました。
今週始まるマイアミマスターズでもこの3人は、去年準決勝以上です。
グランドスラムの成績も相まって、3人と他の選手との差が印象的になってきています。

最後に、今大会はまた懐かしい選手の顔が会場で見れました。
アメリカのフィッシュ。アルゼンチンのカナス。
この2人というと、ここインディアンウェルズフェデラーに勝った試合もあります。
他にはロッド・レーバー
そしてシャラポワナブラチロワもいました。
生涯グランドスラム達成者が3人。
あとビル・ゲイツさんもいましたね。さすがマスターズ、インディアンウェルズ決勝。
さすがカリフォルニア。

bnpparibasopen.com

同世代対決、アカプルコ2024

今週はATP250サンティアゴ。ATP500ドバイ、ATP500アカプルコが行われています。
またドバイでは先に決勝(アンベールvブブリク)を終えています。
アカプルコ準々決勝では印象的な試合もありました。


アカプルコ準々決勝デミノー3vチチパス5

第1シードズベレフが初戦で同胞アルトマイヤーに敗退。
第4シードフリッツは同じく初戦アルナルディに敗退。
第2シードルーネ、第3シードデミノー、第5シードチチパス、第6シードルードらが準々決勝を決めています。

中でも注目は、デミノー対チチパスでした。
これまでの対戦は10回。チチパスの10戦全勝。
直近は去年8月のロスカボス決勝。
ただ今回は11回目にして初めて、デミノー(9位)がチチパス(12位)よりもランキングが上にいる構図です。
チチパスは去年の全豪準優勝がありますが、以降は例年に比べると勝ち星が減っています。
去年のファイナルズでは背中の怪我による途中棄権もありました。
それでも5年連続世界ランク10位以内という、さすがのトップ選手。
デミノーはというと、今年の開幕戦ユナイテッドカップジョコビッチ含む
トップ10選手3人に勝利するなど、今シーズン最も調子の良い選手の1人だと思います。


同世代デミノーvチチパスは東京から

2人は生まれが6ヶ月違いの同世代(ズベレフ、フリッツ、ルード、アンベール、ブブリクも同世代)。
名前が出てきた時期も2017年頃と同時期。
そして2018年10月には、ツアーレベルでの初対戦が実現。場所は東京(調布)でした。
当時チチパスが早くも15位につけていて、デミノーは38位。
将来有望とされていた20歳近い選手同士の対戦は、
テニスファンにとって最高に楽しみなカードだったのをよく覚えています。
そして今後何度も、この2人による対戦は観ることになるだろう、と。

感覚の通り、2回目の対戦は同じ年の11月。ミラノであったNextGen決勝。
当時15位のチチパスと31位のデミノーは、
ランキング的にも実力的にも他6人より少し差をつけ、
トップシード2人の決勝進出は順当のようにも思いました。
この世代というと当然、1997年生まれのズベレフがいます。
それに続くのが98年8月生まれのチチパス、99年2月生まれのデミノー。
そんな気もしたものです。




同世代の対戦

同世代での対戦、若い頃から実現するというのは他の選手でも何度もありました。
フェデラーでも、ナルバンディアンやヒューイット。
フェデラーはヒューイットに3連敗、ナルバンディアンに5連敗スタートでした。
ナダルジョコビッチ、マレー、モンフィス、ガスケら5人も同世代。
この5人だと、ジュニア時代の成績はモンフィス、ガスケが断然上でしょう。
プロデビュー直後、ナダルよりガスケの方が、ジョコビッチよりマレーの方が、
メディアではよく名前が挙がっていました。
この「同世代」からなるバトル、見えてくるキャリアとかが確かにあるんです。

 

アカプルコ決勝

さぁあと4時間後には、アカプルコ決勝。
デミノー3vルード5

2人の対戦成績は、2019年NexGenファイナルズでの1回のみ。
同世代でもこんなに対戦が少ない。
今シーズンはデミノーマッチ14勝4敗。ルード13勝2敗。
ランキングはデミノー9位。ルード11位。
ルードにとっては初めての対トップ10です。
2022年ルードの大活躍以降すっかり2人の差は広がりました。
けれどデミノーは今、キャリアのピークを迎えつつあります。
誕生日が2ヶ月しか変わらない、25歳同士の対決。

今日で150周年

今日2月23日は特別な日と思う方も多いでしょう。
ウィング・フィールドがローンテニスの実用新案特許
を申請した日が1874年2月23日。

今日でちょうど150年です。


「ウィング・フィールド」というとテニス史関連の本にはよく出ます。
当時のラケットを左脇に挟むように持っている、あのイラストの人です。
この1874年2月23日をローンテニスのはじまりとするのが、
テニス史の常識となっている。
と、主張する人もいます。


テニスの起源というと、
「テニスの定義とは何なのか?」「起源(始まり)って何なのか?」と、
そもそもの言葉の解釈からしなければ、当然回答にばらつきが出ます。
そしてそれが難しいのもまた事実。


"テニスの始まり"への探求心が尽きない人も多いと思います。
私も引き続き、勉強を進めようと思います。

フェデラー、2004年2月2日から20年!

フェデラーが初めて世界1位になった日が2004年の2月2日付でした。
1位は2008年8月11日付まで続き「世界ランキング1位連続在位237週」という大記録。


通算でも、「世界ランキング1位在位310週」は(当時)歴代最長。
世界トップ4にも通算在位800週以上。
年間4位以内を15年。どちらも歴代最長。


グランドスラム優勝20回は(当時)歴代最多。
グランドスラム決勝進出を連続10大会(2年以上)ももちろん歴代最多。


それでも"最強のテニス選手"と一言で表現できる選手ではなく、
「ファンが選ぶ好きなテニス選手」という賞も、
2003年から19年間、引退するまで受賞し続けました。
テニス界のアイドル、みんなが好きな選手です。

Roger Federer

https://www.rogerfederer.com/index.php



ATP Tour

www.atptour.com



SWI swissinfo.ch - 日本語

『【キング・オブ・テニス】スイスでフェデラーを馬鹿にするとこうなる』(3:27)

www.youtube.com

ダニエル太郎、現58位はキャリアハイ、31歳おめでとう!

ダニエル太郎
これまでの最高は2018年8月27日付の64位でした。当時25歳。
25歳前後でキャリアハイというのはテニス選手として一般的だと思います。

そして、今月15日付ランキングで58位。今日27日で31歳。
テニスの選手寿命が伸びているとはいえ、31歳でさらに更新というのは珍しいです。
ランキング的には現日本のエース。
歴代日本男子では60位伊藤竜馬を抜いて6位。

今シーズンは、開幕戦の1つ香港の予選に出場。
見事本戦入りし1回戦はキツマノビッチに敗退。

翌週、オークランドは本戦からの出場。
45位パーセルや16位シェルトンなどに勝ち、結果は準優勝。
ツアーの決勝進出は、初優勝した2018年イスタンブル以来でした。

そして14日開幕、現在行われている全豪オープン
初戦ユーバンクスにストレートで敗退。3年連続の初戦突破はなりませんでした。

2014年


2023年

ナルバンディアン、2005年マスターズカップ

このタイトルで、一瞬で当時を思い出せる人も多いでしょう。
それくらい印象的な試合でした。
2005年シーズン最終戦、マスターズカップ上海。


 

2005年

この年はフェデラーナダルによる「2強時代」の始まりです。
2人はマスターズカップまでに、グランドスラムを含め年間なんと11勝。
マスターズシリーズも共に年間4勝。
マスターズ年間4勝自体、史上初めてのことを2人同時に。
それでもやはり"王者"フェデラーであって、
「誰がフェデラーを倒すのか?」これは2004年から変わりません。

ナルバンディアンは年間2勝。
グランドスラム3大会でベスト8。デ杯は4戦して全勝。
マスターズシリーズは早期敗退が多く、
マスターズカップの出場を決めるランキングでは第11位でした。


欠場選手

終戦というと気になるのが出場選手ですが、
まず大会開幕前に欠場表明したのがサフィンとヒューイット。
2人はこの年の全豪決勝カードであり、共にグランドスラム2勝、20歳で世界ランキング1位になった者同士。

次に発表があったのがロディック
直前のパリマスターズでは準決勝進出という好成績でしたが、その時すでに怪我の影響は表れてました。この年ウィンブルドンでは準優勝。
ロディックグランドスラム優勝経験者で、元世界ランキング1位。

大会が始まってラウンドロビン2日目。
コートにデニム姿で現れたナダルが欠場を発表。
この年、19歳で全仏優勝など素晴らしいシーズンでしたが、
初めてのマスターズカップ出場は叶いませんでした。

同じ日、第1試合を戦ったアガシが欠場を発表。
15年も前、1990年この大会のチャンピオンは1試合のみのプレーとなってしまいました。
この年はツアー60勝目を達成。全米では準優勝。


出場選手

このようにして最終的に大会に出場した選手たちとランキングはこちら。
またフェデラーも怪我の影響がかなりあり、試合には常にサポーターをつけてました。
フェデラー(1位)
コリア(6位)
ダビデンコ(7位)
ルビチッチ(8位) ←サフィン(10位)の代役
ガウディオ(9位) ←ヒューイット(3位)の代役
ナルバンディアン(11位) ←ロディック(4位)の代役
プエルタ(12位) ←ナダル(2位)の代役
ゴンザレス(13位) ←アガシ(5位)の代役

レッドグループ
フェデラー、ナルバンディアン、コリアの同世代でマスターズカップ連続出場組。
ルビチッチは直近5大会のうち4つで決勝進出。大会開幕前、最も注目されていたのは間違いなくルビチッチです。

ゴールドグループ
自力で出場権を得た唯一の選手、全仏ベスト4のダビデンコ。
唯一のグランドスラム優勝経験者、前年全仏優勝のガウディオ。
今年ツアー優勝あり、全仏準優勝のプエルタ。
ツアー最速のフォアハンドをもつゴンザレス。
ロシアのエースと、南米屈指のストローカー3人となります。

決勝

出場選手が異例の展開にはなりましたが、それでもやっぱり連日激しい試合内容。
ラウンドロビンフェデラーはすべてでフルセットマッチ。
ランキング12位プエルタと13位ゴンザレスの試合だってさすが2人の打ち合い。
結局準決勝進出2人目はどちらのラウンドロビンでも、最後の試合までわかりませんでした。
勝戦は、この大会オープニングマッチの2人が再戦。
フェデラーvナルバンディアン。

決勝を前にしてフェデラーのかかる記録が凄かった。
マッチ35連勝中
ハードコート44連勝中(歴代単独1位)
決勝24連勝中(歴代単独1位)
マスターズカップマッチ14連勝中(歴代単独2位)
今シーズン優勝11回(1位タイ)
1シーズン年間勝率96.4%(歴代単独2位)
特に、「1シーズン年間勝率」の1位タイ記録まであと1勝。
それが"シーズン最後の試合で"というのも大注目でした。

ナルバンディアンも決勝戦の結果に関わらず、3年連続でトップ10が確定。
優勝すると自身初のビッグタイトル。ランキングは6位にまで上昇。
アルゼンチン勢の優勝となると1974年ビラス以来、31年ぶり。
第8シードでの優勝はこの大会史上初。
ここまでの勝ち上がりは初日フェデラーに惜敗。以降3試合は素晴らしい内容。
サーフェス、コンディション、対戦成績等考えるとチャンスもあり、
欠場したロディックサフィンナダルよりも、
王者を倒す最有力な選手こそナルバンディアンだったと言えるかもしれません。


D.ナルバンディアン

1998年全米ジュニア決勝ではフェデラーに勝ち優勝。
1999年全仏ジュニア決勝ではコリアに敗れ準優勝。
プロ転向後の2002年。芝の大会自体初出場となるウィンブルドンではなんと準優勝。
2003年全米でもロディックとのフルセットの熱戦がありベスト4。
2004年全仏は優勝したガウディオに敗れベスト4。
2006年全豪と全仏でベスト4。デ杯でも準優勝。
この年にキャリアハイの3位を決めています。
2007年、あの"同一大会でランキングトップ3に勝利"してのマドリードマスターズ優勝。

世界ランキングはキャリアを通してほとんどトップ100。
自己最高は「フェデラーナダル2強時代」に記録した3位。
グランドスラムすべてで準決勝以上を経験というのは、
歴代の選手で見ても数少ない好成績です。


武器はもちろん両手バックハンド。
2000年代初頭、男子テニス界がストローカー中心へと変わっていき、
中でもアガシ、クエルテン、ヒューイット、サフィンなどは抜きんでていました。
その彼ら元ナンバー1を含めても、
ナルバンディアンのバックハンドは勝るとも劣らないクオリティー
アルゼンチンの選手ならではのストロークの安定感に加えて、あのバックハンド。
「フォアもバックも強い、ハードもクレーも戦えてインドアだと尚強い」

フェデラーとの対戦成績は8勝11敗。
はじめの5連勝がよく取り上げられがちですが、
フェデラーが1位になって以降も3勝をあげています(すべて決勝)。

アルゼンチンといえばテニス強豪国です。
その中でも、記録にも記憶にも残る選手の1人がこのナルバンディアン。
2013年の現役引退後はモータースポーツへ転身したようで、またキツマノビッチのコーチの時期もありました。

『Roger Federer vs David Nalbandian Epic ROLLERCOASTER Final | ATP Finals 2005 Extended Highlights』(25:49)

www.youtube.com



『When David Nalbandian Beat the Big 3 ALL IN A ROW at Madrid 2007!』(9:42)

www.youtube.com



『Former World No. 3 David Nalbandian Mic'd Up With Miomir Kecmanovic』(5:47)

www.youtube.com



ガスケ、2005年モンテカルロ、世界ランキング100位

2005年。19年も前です。
フランスのガスケは2005年4月18日付からずっと世界ランキングトップ100でした。

 

世界ランキングトップ100とは

「世界ランキングトップ100」というと、テニスファンなら1度は聞いたことがあるかもしれません。
それが"全テニス選手の目標"
これを明言する選手は多いと思います。
ガスケは連続にして926週。
これがどれ程の評価になるのかはわかりませんが、
2005年の同じ日にトップ100にいて、今も現役の選手はナダル、ベルダスコのみ。
個人競技の約20年というのは、それくらいの年月です。
当時を少し振り返ります。


2005年4月

この年は「フェデラー1強」から「フェデラーナダル2強時代」に変わるわけですが、
まさに過渡期のような大会が、
4月18日の前週に行われていたマスターズのモンテカルロ大会。
(どうしてもこの時の選手を思い出すのに、2人の名前は避けられません)

モンテカルロ大会

第1シード、絶対王者フェデラーです。
この年ここまで通算マッチ35勝1敗。
マスターズも2大会連続優勝をし、マッチ24連勝中。
ここまでで既に、歴代で考えてもトップクラスの成績。

第2シードはサフィン全豪準決勝ではフェデラーに勝ち、グランドスラム2勝目も達成。
この年通して怪我に悩まされていた印象はありますが、
当時フェデラーに勝てる最有力選手だったとも思います。
自己最高は2000年に記録した1位。

そしてガスケは当時まだ18歳、ランキング101位。
3月にはチャレンジャー大会2週連続優勝がありました。
この大会は予選から。
チャレンジャー2週連続最終日、モンテカルロ予選、モンテカルロ本戦と続いてたわけです。
モンテカルロでは、
本戦1回戦ガルシアノロペスに2ゲームしか落とさず勝利。
3回戦では15位(この年5位を記録)のダビデンコにフルセット勝利。
準々決勝、相手はフェデラー
先にマッチポイントを握られながらもファイナルタイブレークの末、勝利。
この大会を予選から準決勝進出は、1982年ワーゼッティ以来22年ぶりの快挙でした。
また決勝までいくと、この大会10代で決勝進出は、1994年メドベデブ以来11年ぶりにもなります。

モンテカルロ準決勝

準決勝進出の顔ぶれ。
2003年全仏優勝、2002~2003年この大会優勝のフェレーロ(最高1位)。
2004年全仏準優勝、この大会優勝のコリア(最高3位)。
当時すでにトップ選手のナダル。今シーズンはクレー2勝、ランキングは自己最高の17位(この年2位を記録)。

ガスケvナダルのツアー初対戦が実現です。
誕生日がナダルと15日しか違わないガスケはマスターズはもちろん、
ツアーの準決勝進出自体初めて。
またフランス期待のジュニア世界チャンピオンでもあり、
2002年この大会でツアーマッチ初勝利をあげたこともあります。
正直、コリアvフェレーロという好カード以上の期待度が
ガスケvナダルにはありました。
共に認知度は十分な18歳同士が、マスターズ準決勝で対戦したんです。
この翌週が4月18日。ランキングは101位から61位に。


2005年5月

5月にはマスターズのローマ、ハンブルグ(当時はマスターズ格)。全仏オープンに出場。
ローマではアガシとの初対戦もありました。

ハンブルグ大会

モンテカルロでの活躍があっても、この大会も予選からの出場。
準決勝ロクス戦ではストレート勝利。
つい最近までランキング100番台だった18歳の選手が、
もうマスターズ決勝の舞台に。
このときの相手はやはりフェデラーでした。


2005年後半

この後の全仏オープンは3回戦でまたナダルと対戦。
約1ヶ月の間、当時のフェデラーナダルと2回ずつ対戦。アガシとも対戦。
芝のシーズンはクイーンズで準々決勝進出。
ノッティンガムではツアー初優勝。
全米オープンは初出場でベスト16進出。ランキングは12位へ。


R.ガスケ

フランスを代表する選手の1人であるガスケは、
「新四銃士」と呼ばれ「片手バックハンド」の名手でもあり、
デビスカップ」の活躍もあります。
基本はベースライナーですがネットでもポイントが取れてタッチセンス抜群。
よく話題になるバックハンドはウィナーはもちろん、
スピンの効いたアングルショット、さらにスライスもトップレベルで、ドロップショットも得意としてます。
フォアハンドもたまに見せるストレートが気持ちいい。
やっぱりフォアもバックも独特のグリップが、ユニークさをとても感じます。

ツアー優勝がすべてATP250というのは意外か、むしろ意外過ぎて有名かもしれません。
マスターズは、ハンブルグを入れると10大会中8大会で準決勝以上を記録。
マスターズの5セットマッチを経験している現役選手もガスケ、ナダルジョコビッチだけとなりますね。

「BIG4」の出現以降、確かにいろいろな価値観が変わったと思います。
優勝回数、テニス寿命、世界ランキングなど。挙げてしまえばすべてかもしれません。
でも、それはそれ。
"テニス王国"とも呼べるフランステニスの歴史上、マッチ勝利の最も多いのがガスケ。
ジュニア世界1位となりプロ転向をしたのが2002年。
ランキングの自己最高は7位。これが2007年のこと。
最後にトップ10にいたのが2016年。
最後のツアー優勝は2023年。
改めて長いことトップにいることがわかります。


『When Richard Gasquet Became The YOUNGEST Player To Win An ATP Masters 1000 Match!』(10:23)

www.youtube.com



『Coupe Davis 2017 - Ensemble sur le Chemin de la Victoire | FFT』(27:22)

www.youtube.com