ソフトテニスと硬式テニスの”前提”
アマチュア競技とプロ競技
「ソフトテニスと硬式テニスの…」の前にとても大事な前提があります。
ここを押さえて初めて、この両者の比較の意味が生まれるとまで思います。
それが、ソフトテニスの選手ほとんどがプロではないということ。
つまりプロ競技として確立してるスポーツと、そうでないスポーツ。
管轄が違う、歴史も違う。 国内での立ち位置も違う。
何もかも違うかもしれませんね。
そんな2つを比べると、このブログタイトルに書いてます。 無謀かもしれません。
それでも比べることって?
私事ですがソフトテニスも硬式テニスも小さい頃から身近にありました。
どちらを初めてやったかも正確には覚えていません。 何より、どちらも大好きです。
コートにはどちらのラケットも持っていきます。
この両者は確かに別物ですがこれを理解できる人はほんの一部。
ほとんどの方からしたら”同じテニス”。
なので良いところは素直に真似した方がいいこともあるでしょうし、
それが可能な関係なはずです。
野球のユニフォームを真似る、ボクシングのパフォーマンスを取り入れる、とは違います。
因みにソフトテニスと硬式テニスはよく”別競技”とも言われます。
確かにソフト(軟式)と硬式という言葉の違いは野球のそれとは似て非なるものですが、
これは”技術的な話だけ”を指すことが多いです。
全日本選手権大会を観てみて
本題前にだいぶ書いてしまいました。
いざ比べるといっても私自身の経験や知識には、
ソフトテニスと硬式テニスでだいぶ差があります。
そもそもブログとはほとんどのものが
「主観」且つ「情報の信憑性」には何も保証はありません。
日本の人口10億人と書いてもどこにも影響がないのが趣味ブログの良い面です。
今回もそう。私の認識に基づく、勝手な整理。
そして取っ掛かりが何もないと終わりが見えなくなってしまうので、
全日本選手権大会にフォーカスします。
客の層
有明の観客席を見渡すと一目でわかります。
この全日本が”ソフトテニスの大会か、硬式の大会か”。
それくらいソフトとなると年齢層が若い。
肌感でも学生が過半数なことがわかります。
観客人数ですと硬式テニスの倍以上、ソフトテニスの方が圧倒的に多いです。
また客層とは違いますが、
ソフトテニスの大会は人数に比べて選手入場の際の拍手が小さいですね。
客の入りはとても良かっただけに拍手の小ささには驚きました。
現場スタッフ
硬式の運営に皆が満足しているかどうかはともかく、
ソフトテニスの大会では現場にいるスタッフはほとんどが若い方々(学生)。
これも管轄が違うことが根底にあるのでしょう。
そこで懸念点と、客観的に見てみた事実を1つずつ。
何よりまず”大人の客対応”ですね。
子供相手だと横柄な態度をとる大人はたくさんいますから。
そういう大人を上手くさばける子供の方が珍しいです。
我々大人としては、子供の方々が仕事を任されていることに
尊敬と思いやりを持つべきですし、 コートに限らず私は普段からそうしています。
客観的に見た運営スタッフへの感想は、そうですね、
学園祭の感覚でやられている方が多かった、 いやそれ以下かもしれません。
学生程の若い方々が時間を割いて、その中でのそれぞれの結果ですからね。
チケット代を払っている客とはいえ、スタッフに求めすぎることは無意味かもしれません。
進捗状況の確認
これは硬式の大会でも現場レベルではそうですが、
リアルタイムでの試合の進捗状況がわからないこと。
硬式の方はというとサイトで確認はできますね。
ソフトテニスにも「大会結果速報」というものはあるもののリアルタイムでは全くありません。
試合進行MCはいない、リアルタイムでの掲示板的なものもない。
会場にいてもわからないというのはなかなかに不便です。
観戦無料?!
細かいかもしれませんが1つ驚いたこと。
ソフトテニス大会のある日、試合が全部終わる前に入場ゲートが解体されていました。
この状況はつまり、
誰でも無料で出入りができて、無料で試合が観れるということ。
当然ここは個人経営のお店ではありません。それこそ学園祭でもありません。
「国内トップ選手のプレーが無料で観れる!」とは客側にとっては良いですが、
試合そのものの価値と、大会自体の価値を下げることになります。
モノの価値として値段がつくのと同じで、こういったことも大会を構成する1つ。
「大会の価値がいくらになるのか?」は運営スタッフの仕事ぶりも無視できません。
ユーチューバー
YouTubeの動画の本数も想像通り、硬式テニスよりソフトテニスの方が少ないことはまず間違いありません。
ユーチューバーと呼ばれる存在もそう。 そして全日本選手権決勝終了直後のことです。
ソフトテニスユーチューバーとして国内トップの方が、勝利ペアにインタビューをしていました。
アナウンサーでなくとも、日本一の選手にインタビューできるというのは、
ユーチューバー自身の人気の表れか、この競技ならではか。
それはさておいて、女子選手に対しての態度は、あれはどうでしょうか。
「選手の年齢が若かったために若い雰囲気に合わせた」と理由をつけても、
他では見ない振る舞いでしたね。
もちろん局アナがもつ真面目な、
いかにもアナウンサーなスタイルが100点満点とは思いませんし、
こういうのはかなり個人の好みが入りますよ。それはもちろんです。
でも、「日本一の選手」に対して良く言えばフランク、
悪く言うと失礼な態度にも十分映る、そんな感じでした。
これも見方は同じです、硬式テニスの日本一の大会ではありえないということ。
日本代表選手たちから見る「戦い方」
素人が、野球とサッカーのプレーの違いを正確に表すのは不可能だと思います。
理由はシンプル。考えられる変数の数が無数にあるからです。
硬式テニスとソフトテニスの比較も、プレーとなると一層難しくなりそう。
1つはっきり違うといえるもの、それが選手の感情表現です。
硬式テニスだと有名なのが、ラケットを投げる・壊すでしょうね。
過去にこのブログでとりあげたこともあります。
現行のルールでは警告となることがほとんど。つまり”悪いこと”と定められています。
そしてこれはソフトテニスには見られません。
原因は今回考えませんが、硬式テニスにあってソフトテニスにないものの1つではあります。
では、ソフトテニスの選手らはどうか?
こちらでは、ポイントを取った選手のリアクションがそうでしょう。
相手選手に向かって高圧的な態度。
全日本でも”硬式テニスのルール下なら間違いなく警告”の選手は何名もいます。
試合時間で換算すると、硬式よりソフトテニスの方が短いですが、
警告を受ける選手は硬式よりソフトテニスの方が多く出そうです。
それでも選手同士のトラブルにならないのは、
この競技内で定着しているからかもしれません。
久々の観戦を終えて
スポーツとしての歴史が違う
ここまで客観的事実を淡々と並べてみました。
改めてですが、ソフトテニスの全日本選手権はプロ大会ではありません。
日本一強い選手達が集っていても、運営や環境はとても違います。
プロではない選手たちは、
プロとして活動する他競技の選手よりも「使える時間」「使えるお金」が違うでしょうし、
それはもはや全てが違うと言えるかもしれません。
言ってみれば歴史が違う。
どの競技、どの大会にも始まりがあり現在までの過程があります。
いろいろ含めての大会であり、そのスポーツの実情です。
また、ソフトテニスの全日本選手権大会で起きていたことが
他のスポーツでもあったと想像すると、
スポーツイベントあるいはスポーツビジネスの奥深さまで考えさせられて面白いです。
ソフトテニスか軟式テニス
最後に比較ではないですが”ソフトテニス”という呼び方。
ソフトテニスも、硬式テニスもどちらも聞く気がしますが、
「1992年にソフトテニスに呼び方が統一された」というのは、最近知りました。
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